- 公務員だけ続けていても明るい未来はない
- 今公務員が面白くなければ、数十年後も面白くない
- 2031年には公務員の定年は65歳に引き上げられる
- 公務員には大幅な昇給がなく、資金確保が困難
- 早い段階でスキルの習得と資産形成をしよう
- ブログでスキル習得、NISAで資産形成がおすすめ
公務員の仕事に将来性がないと言われることはよくあります。将来性の定義が曖昧なので、何をもって将来性があるのかないのかを断言することは難しいです。
しかし、「このまま公務員を続けていても良いのだろうか」と少しでも思う人は、一度立ち止まって考えてみた方が良いでしょう。少なくとも、今のままでは貯蓄や老後資金の確保が難しい場合、今のうちからできることを始めておくことで、新しい選択肢や道が広がります。
この記事を読むことで、「公務員は将来性がない」と言われる理由と「将来性がない」と感じる人の特徴が分かり、公務員を続けながらでも今から始められるおすすめの対策を知ることができます。
公務員は将来性がないと言われる5つの理由
公務員の仕事は将来性がないと言われるにはさまざまな理由があります。以下がその理由です。
IT化による人員削減
IT化が進むと窓口業務を削減できます。例えば、以下の窓口業務は電子化やコンビニ発行が可能になり窓口業務を行う人員が不要になります。
- 住民票や戸籍謄本などの取得
- 各種許認可の申請
- 税金の申告
- 公共料金の支払い
- 転入手続き
- パスポートの申請
すでにマイナンバーを用いた公的書類のコンビニ交付は進んでいます。これまで対面サービスが基本とされてきた窓口業務がオンラインに置き換わると、公務員の需要が減ります。当然、人員配置が必要な部署は一定数残りますが、全体としての人員は減少していくでしょう。
解雇にはなりませんが、募集人員を絞っていく可能性が高いです。
業務量の増加
IT化により窓口業務の負担は減る一方で、公務員一人あたりの業務量は確実に増加すると見込まれます。以下がその理由です。
- 少子高齢化の加速
- 自然災害の頻発
- デジタル化の推進
- 公務員不人気による人材確保困難
特に、少子高齢化の問題は非常に深刻で、今後も高齢者福祉や子育て支援の施策が強化され、仕事が煩雑かつ膨大になることが想像できます。他にも自然災害への備えやデジタル化の推進など、公務員が避けては通れない業務負担が大きくなるでしょう。
人材確保の難しさもあり、一人当たりの業務負担が大きくなる見込みです。
平凡な給与水準
公務員の給与水準は良くも悪くも平凡です。給与は年功序列でしか上がらず、民間企業のように営業成績によって大きく昇給することはありません。以下は地方公務員の平均給与です。
役職 | 年齢 | 年収 |
主事級 | 20代~30代前半 | 約300~500万円 |
主任~係長級 | 30代後半~40代前半 | 約500~700万円 |
課長級以上 | 40代後半~50代 | 約700万円以上 |
定年間際まで働いても、通常の出世コースではせいぜい年収700万円ちょっとが上限です。つまり、どんなに仕事を頑張っても、成果をあげようと努力をしても決められた通りにしか昇給せず、年収の上限もたかが知れているということです。
業務成績で大きく年収を上げ、より大きな企業にキャリア転職するといったような道も完全に閉ざされているのが公務員の運命です。
副業禁止または制限が大きい
平凡な給与水準で大きな昇給も期待できない公務員ですが、副業の制限が大きいことは最大の欠陥職業と言えます。政府は以下の理由から副業を積極的に推進しています。
- 働き方改革の一環
- 経済の活性化
- 人材の育成
政府の動きに合わせて、公務員の副業を解禁していく自治体も増えてきましたが、未だに制限は大きく自由に副業ができない現状があります。
簡単に言うと「社会活動や地域活動、ボランティア活動の延長にある副業は認めるけど、それ以外は認めない」というものです。副業への制限がより緩和されていかない限り、公務員という仕事に将来性を感じる人は増えていかないでしょう。
転職に生かせるスキルが身に付かない
給与水準を上げようと転職を試みたとしても、公務員で身に付いた知識やスキルは転職市場では役に立たないことがほとんどです。
- 営業スキル
- マーケティング
- ITスキル
上記のようなスキルのうち、人より優れたものがなければ中途採用で待遇の良い企業への転職はかなり厳しいです。
ワードやエクセル、パワーポイントはITスキルではありません。
公務員の仕事は法律に基づいた行政サービスを提供するルーティンワークであることが基本です。公務員がスキルを身に付けて転職や独立するというのは非常に難易度が高いと言えます。潰しが利かない業務内容であることも将来性がないと言われる理由の一つです。
公務員に将来性がないと感じる人の特徴
「公務員には将来性がない」と感じる人の特徴は以下が挙げられます。
公務員の給与体系に不安がある
今の公務員の給与体系に不満がある人は将来性がないと感じているかもしれません。R5年度の公務員の平均給与と民間企業の平均給与は以下のとおりです。
職種 | 年収 |
国家公務員 | 681万円 |
地方公務員 | 667万円 |
民間企業 | 460万円 |
参考:人事院「令和5年度国家公務員給与等実態調査結果」、総務省「令和5年度地方公務員給与の実態」、国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果について」
公務員の給与、高くない?
一見して、公務員は給与水準が高く思えますが、あくまで平均です。公務員の給与は年功序列なので20代、30歳のうちは年収400万円未満ということも珍しくありません。どんなに仕事を頑張って成果を出しても給与が上がることはありません。通常の出世コースでは、年功序列で昇給してもせいぜい年収700万円程度が限界です。
成果主義で、結果を積めば若くても1,000万円以上の年収が期待できるような職業ではないことは「将来性がない」と感じる理由の一つです。
定年まで働きたくない
定年まで働きたくない人にとって、公務員は将来性がない職業と言えます。公務員の定年は2023年から段階的に引き上げられています。以下のように、2年に1歳ずつ延長されていき、2031年には65歳が定年になります。
年度 | 定年年齢 |
令和5年(2023年) | 61歳 |
令和7年(2025年) | 62歳 |
令和9年(2027年) | 63歳 |
令和11年(2029年) | 64歳 |
令和13年(2031年) | 65歳 |
1967年(昭和41年)4月2日以降に生まれた人は、最低でも65歳の定年が確定しています。
60歳以降になると、給料はそれまでの給与水準の7割まで引き下げられます。言ってしまえば、経験のある安い労働力として利用されることになります。
今のところ、60歳以降に退職するのであれば、いつ退職しても「自己都合退職」ではなく「定年退職」扱いになるため、退職金の面で不利になることはありません。しかし、今後はどうなるか分かりません。60歳を超えてまで働きたくない人は公務員には将来性がないと感じるはずです。
貯金や資産運用にお金を回す余裕がない
貯金ができなかったり、資産運用にお金を回したりする余裕がないと、将来への不安が募ります。金融庁が老後資金は2,000万円必要と発表したのは2019年の話であり、数十年後には2,000万円どころでは済まないでしょう。給与の余裕資金をすべて貯蓄や資産運用に回せるわけではありません。
人生のライフイベントに合わせて、以下のように多くの出費が必要になることもあります。
- 引っ越し
- 結婚式
- 住宅の購入
- 車の購入
- 養育費、教育費、学費
- 趣味や娯楽、旅行
まとまったお金が必要な時期は、誰でも必ず訪れます。その中で老後資金を確保しなければなりません。しかし、自由に副業ができず収入を増やせない公務員には、将来性を感じないと思う若者が多いのは当然でしょう。
公務員の仕事がつまらないと感じる
公務員の仕事に面白さややりがいを感じない場合も将来性がないと言えます。現状で面白さややりがいを感じられない場合、数年後や数十年後もきっと状況は変わりません。
配属部署によって業務内容は異なりますが、利益を追求しない生産性のないルーティンワークが基本であることに変わりありません。何か新しいことにチャレンジしたり、夢中になって試行錯誤する経験を積むことは難しいです。
数年後、数十年後に今の上司の立場になることに明るい未来を感じない場合、公務員に将来性がないと感じるでしょう。
公務員に将来性がないと感じたら取り組むべきこと
公務員に将来性がないと感じたら、以下のことに取り組むことで現状の不安を払拭できる可能性があります。
資産運用に取り組む
資産運用に取り組むことで、将来に向けて十分な資産形成を行うことができます。以下は、月に2万円を想定利回り4%で40年間NISAで資産運用した場合のシミュレーション結果です。
例えば、月に2万円を40年間貯蓄した場合と比較すると以下のようになります。
貯蓄の場合 | 資産運用の場合 | |
毎月の金額 | 2万円 | 2万円 |
想定利回り | 0% | 4% |
元本 | 960万円 | 960万円 |
運用益 | 0円 | 1,404万円 |
合計 | 960万円 | 2,364万円 |
一目瞭然、1,404万円もの差が生じる恐ろしい結果になります。
- 資産運用がよく分からず、一切手をつけなかった人
- 勉強してちゃんと行動した人
両者では将来的に非常に大きな差が生じます。最終的に平均の利回りが1%になったとしても1,180万円になり、資産運用しただけでも200万円も差が出ます。
単純に考えて、やらない理由がないくらいです。
資産運用は、長期的に取り組めば取り組むほど、資産を増やすことができます。早いうちから資産運用を開始することで、確実に将来的な不安を軽減できます。
副業に取り組む
副業に取り組むことは、将来への自己投資になります。公務員の昇給には限界があります。副業に取り組むことで、副収入を得ることができるとともに、副業でしか得られない知識を身に付け、本業では得られない達成感や経験を得ることができます。
現状で公務員が行うことができる副業の例には以下のようなものがあります。
- 投資信託、株式投資、FX
- 不動産賃貸
- 売電
- 家業の手伝い
- 農業
- 不用品販売
- 執筆活動
- 講演活動
正直、出が出しにくいものばかりと思った人も多いでしょう。営利目的の副業は基本的に禁止されているからです。2023年に大阪府が「営利企業従事等制限の許可(兼業)」への緩和に取り組むことを公表しましたが、他の自治体への拡大にはもう少し時間がかかりそうです。
しかし、何もしないでいると現状は絶対に好転しません。今のうちから副業解禁を見据えたスキルの習得に取り組むことをおすすめします。
WEBスキルを習得する
今後、WEB上での制作受注が公務員の副業として許可される可能性を見据え、今のうちからWEBスキルを習得しておくことを強くおすすめします。副業としてWEBスキルの習得をおすすめする理由は以下のとおりです。
- WEB業界の仕事は今後も増え続ける
- 転職に生かせるスキルが身に付く
- 副業の選択肢の幅が広がる
- 場合によっては本業にできる可能性もある
でも、何から始めればいいの?
WEBスキル習得の入り口として非常におすすめなのはブログ運営です。ブログ運営では、以下のWEBスキルをまとめて実践しながら習得することができます。
- WEBライティング
- SEOライティング
- デザインスキル
- メディア運営力
- WEBマーケティング
上記のスキルはWEB上の副業として非常に多くの案件があります。ブログ運営を通して幅広いWEBスキルを習得することで、将来的に副業やキャリアチェンジの際に必ず生かすことができます。
まとめ
公務員は安定した職業ではありますが、将来に対して何も行動を起こさなければ、現状維持か、もしくは将来的な生活水準の低下が予想されます。給与は年功序列で昇給し、成果に応じた昇進は難しく、定年まで働きたくない人には厳しい職業とも言えます。
貯金や資産運用の余裕も少なく、将来への不安が増すことがあります。しかし、将来性がないと感じた場合は、資産運用や副業、スキル習得に取り組むことで、不安を解消し、現状を好転させることができます。
公務員の将来に不安を感じている人は、まずは一歩踏み出して行動に移すことで状況を好転させるヒントを得ることができます。